トコ面にツヤを出したい!
革小物をハンドメイドを趣味にする人にとって、コバ(革製品の端っこ、切れ端、切り口の部分)と同様、トコ面もツヤツヤにしてみたいと思うものですよね!
コバの処理は作品の完成前に仕上げとして行いますが、トコ面は作品を作り始める前に処理します。
この記事では、トコ面の処理の仕方と、仕上げ材として有名なトコノールとトコフィニッシュの特徴についてお教えしていきます。
墨を磨って墨汁を作るかのごとく、無心になって仕上げ剤を革に塗り拡げた先に、ピカピカでツヤツヤに仕上がったトコ面が待っています。特に難しい技術は必要としないので、気軽に読み進めていってください。どちらの仕上げ剤を買おうか迷っている方がいたら、選択する上での一助となれば幸いです。
トコ面の処理に使う材料・道具
革にはツルツルした面(ギン面)と、毛羽立ちのある面(トコ面)があります。レザークラフトの作業を始める前にトコ面の毛羽立ちを抑える作業をおこなうことで、革が一段と扱いやすくなります。
トコ面の処理に必要な材料と道具は次のとおりです。
トコノールもしくはトコフィニッシュ
レザークラフトの友、トコノールとトコフィニッシュです。どちらを選んでもトコ面の処理はできますので、好みで買ってOKです。
(東急ハンズでそれぞれ594円/385円で売っています。)
ガラス板
種も仕掛けもないガラスの板です。なかなかいいお値段がしますが、手に持って作業しやすいような大きさに加工されています。
(東急ハンズで1408円で売っています。)
トコ面の磨き方
革に少量のトコノール(またはトコフィニッシュ)を取り、ガラス板で磨きます。スリッカーを蕎麦打ち棒の様に使って磨くこともできますが、手が汚れたり、スリッカーのメンテナンスが必要になるので、トコ磨きについてはガラス板を使うことをオススメします。スリッカーはコバ磨きのみに使ったほうが無難だと思います。仕上げ剤をギン面に付けてしまうと、シミになってしまう(乾けばある程度は目立たなくなりますが)ので、少量ずつ塗り拡げていくようにします。
ガラス板でトコ磨き
スリッカーでトコ磨き
トコノールとトコフィニッシュの比較
ところで、トコノールとトコフィニッシュ、どちらも有名な仕上げ剤ですが、どちらが使いやすいのでしょうか?
ヌメ側のハギレを使って、実際に試してみたいと思います。
(自分の字を見て、レザクラ趣味の他に、ペン習字も習いたくなって来ました/(^o^)\)
それぞれの仕上げ剤を塗ってトコ磨きをしてみると、写真のようになりました。印象としてはトコノールはクリーム感が強いためか、トコフィニッシュに比べて革に染み込むまでに時間がかかりました。対するトコフィニッシュは水糊に似た質感なので、革に染み込む時間が短いです。
続いて、少し時間を置いた後で、トコ磨きをしていない革と並べてみました。どちらの仕上げ剤もしっかりとトコ磨きができていますが、何も処理していない革と比較すると、少しだけ色が暗くなるというか、落ち着いた感じになります。また、文章で表現するのは難しいのですが、トコノールよりトコフィニッシュのほうが若干革が硬くなりました。良い/悪いではなく好みの問題だと思いますが、糊が効いたシャツのような、ハリがある感触になります。
一方、トコノールを塗った革も、何も塗っていない革と比べるとハリがでますが、トコフィニッシュよりは柔らかい感触です。
まとめ
トコノールとトコフィニッシュどちらも良く似た仕上げ剤ですが、比べてみると使用感に差がありました。ひとときに2つの仕上げ剤を買うことも無いでしょうが、あえて使い分けるとしたら、頻繁に折り曲げるような箇所の革にはトコノールを、折り曲げるようなことはなく、且つ少しでも強度を持たせたい箇所の革にはトコフィニッシュを使ってみると良いと思います。
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