革小物の縫い目をクロスステッチでオシャレに飾り付ける方法

クロスステッチ ~元々は刺繍のテクニック~

革小物を作るときの基本の縫い方は「平縫い」ですが、クロスステッチ」という縫い方をすると、縫い目自体が模様のようになって、革小物をオシャレに飾り付けることができます。元々「クロスステッチ」とは刺繍に用いられる縫い方であり、その名前が示すとおり「X」印の縫い取りを布に並べることによって、描きたい図案(所謂ドット絵)を表現する刺繍の方法です。

さて、レザークラフトで言うところの「クロスステッチ」は、縫い方こそ刺繍のそれと同じですが、目的は模様を描くことよりも、革の端と端を縫い合わせることで革のコバ(断面)を繋ぐことがメインです。車のレザーハンドルなどもこの縫い方で仕上げられているものが有りますね。

クロスステッチは、革を2枚並べて突き合わせ、縫い目がクロス(X)になるように、2本の糸を交差させて縫っていきます。革を重ねて縫う平縫いとは違ったコツが必要になるこの縫い方についてご紹介します。

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クロスステッチの難問、糸と革をシッカリ固定する方法とは?

レザークラフトで財布やキーホルダーを作る場合、革の縫い合わせは2枚重なった状態で行いますが、クロスステッチで革を繋ぐ場合は、2枚の革(もしくは1枚の革の端と端)が重なってはいないため、数目縫い終わるまで糸と革が安定しません。(2本の針を左右の手で持っているので、2枚の革は遊んでいる状態です。革を押さえるために二人羽織か、猫の手も借りたくなるほどイライラします。)

数目縫い終えて、やっと安定して縫えるようになったと思ったら、今度はいつの間にか糸がズレて、「糸の左右の長さが均等ではなくなってしまった!!」なんてことが度々発生します。革を最後まで縫うだけの糸が足りなくなってしまうので、もちろん最初から縫い直しです。。。涙

こういった悲しい事態を防ぐために、最初にやっておくべき下拵えがあります!

まず、1番目の穴に糸を横に渡して一度結いてしまいます。たったこれだけのことですが、革の端がシッカリと固定されて格段に縫いやすくなります。以下の手順をお試しあれ!

1.クロスステッチで使用する糸は、縫う長さの4~5倍必要です。また、縫い合わせる革は2枚ともに表面(ギン面)を上にして突き合わせて、それぞれの一番上の穴に針を裏面(トコ面)側からそれぞれ通して、左右の糸を同じ長さにしておきます。左側の針を右の一番上の穴に通して、横に糸を渡します。
クロスステッチ

 

2.続けて左側の一番上の穴にもう一度通し、左右の糸をシッカリ引きます。1目めで2枚の革を固定し、左右の糸がズレるのを防ぐことができます!!
クロスステッチ

 

3.心を整えて、クロスステッチで縫い始めます。
(※クロスステッチの詳しい縫い方は、次の節で説明します。)
クロスステッチ

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クロスステッチの縫い方 ~数目ずつクロスさせる~

クロスステッチには、1目ずつ糸をクロスさせる方法もありますが、左右の針と糸を頻繁に入れ替えることになるので、糸が絡みやすく中々難しいです。ひと目ひと目を縫うごとに、確実に縫い糸のテンションを張り直すことができることがメリットですが、片方ずつ集中して作業できるこちらの方法の方が難易度が低めでオススメです。

1.まず、左側の針だけで縫います。左側の針を右側の革の上から2番目の穴に通します。
(革を裏返したり、糸をクロスさせる際に片方の糸が邪魔になりがちなので、右側の糸と針の端にセロテープやクリップを付けて作業台に軽~く固定しておくと、縫うことに集中できて良いです。

昨年のお盆休みにも、実家でキーホルダーを作っていたのですが、若い頃からフランス刺繍が趣味の母が、「レザークラフトでもその縫い方するのね!?」と興味深そうに見ていました。”血は争えない”とはよく言ったもので、図らずも親子揃って似たような趣味を持つようになりました(笑。)
クロスステッチ

 

2.そのまま裏面(トコ面)側から糸を引き抜きます。
クロスステッチ

 

3.手順3.の針を左側の革の3番目の穴から出し、右側の革の4番目の穴に入れます。
クロスステッチ

 

4.右側の針を、左側の革の2番目の穴に入れて糸を交差させます。
(写真を取るために、右手の針で無理やり革を起こしていますが、実際に作業する時は左手で革を押さえてください。また、1の手順で施したテープやクリップでの仮止めを、左側の糸と針に付け替えてください。

この日は実家で作業していたこともあり、小学校に入りたての姪っ子が作業台の直ぐ側に居たのですが、縫い針や糸が珍しいらしく、私の作業の隙をみては道具を触りに来るので、怪我をさせないようにするのが大変でした。

今回のように、糸や針を仮止めするのはただ効率アップを目指してやっていたのですが、安全面から見ても有効なテクニックだったようです。
自宅で黙々と作業していたらきっと気づかなかったので、思わぬ収穫でしたね。)
クロスステッチ

 

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5.話がそれてしまいました。続いて、1穴おきに左下がり(/)に数回糸を通します。4目くらいずつ縫い目を確認しながら縫うとミスが少なくなります。縫い目が緩んだり、逆に張りすぎていたらこのタイミングでテンションを整えましょう。
クロスステッチ

 

6.革の最後まで縫い終えたら、裏側(トコ面側)で左右の本の糸をひと結びします。
クロスステッチ

 

7.ダメ押し!とばかりに、結び目にボンドを少量着けます。
※次の手順で糸を切りますが、私はこの手順を省いたばかりに、結び目を固定する前に糸がほつれて縫い穴から抜けてしまい、ここまでの作業をおじゃんにしたことが何度かあります。クロスステッチは結構手間のかかる縫い方なので、保険はかけておいたほうが無難です。
クロスステッチ

 

8.最後にもう一度糸を結んで、糸をシッカリと引き締めてから、2本の糸をそれぞれ結び目のキワで切ります。縫い始めと縫い終わりを結いて固定することで、クロスステッチの縫い目がズレるのを強力に防ぐことができます。
クロスステッチ

 

9.丸錐やハンマーの柄などで叩いて結び目を潰し、平にします。
クロスステッチ

 

10.クロスステッチの完成です!お疲れさまでした~。

クロスステッチ

 

革を「平縫い」した場合、表面(ギン面)の縫い目は真っ直ぐに揃いますが裏面(トコ面)の縫い目は不揃いになってしまいます。

一方で「クロスステッチ」で縫った革は表面と裏面の縫い目が同じになり、使い所によっては縫い目自体が一種の模様として機能します。

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まとめ

今回は、実用的でオシャレに仕上がる「クロスステッチ」の方法を紹介しました。革小物の縫い方のバリエーションのひとつとして、身につけておくと便利なテクニックですので、皆さんが作業する際の一助となれば幸いです!

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