革を直角に切りたければ、「別たち」を使うべし!
レザークラフトを趣味で始めた人たちは、最初に必要最低限の道具を一揃い買い集めると思います。かく言う私も、レザークラフトの師匠である会社の後輩モリ君を休憩に誘っては、「最初に何買ったらいいの?」とか「どこに買いに行けばいい?」などなど様々なヒアリングをした結果、東急ハンズのヘビーユーザーになりました。(※このサイトで紹介している手持ちの道具の殆どは、東急ハンズで買い揃えました。)
この「必要最低限の道具」っていうのが初心者にとっては実は曲者で、初心者用と銘打った道具を買い揃えても、人によって(作りたいものによって)は全く使わなかったり、逆に多用するから最初から良いものを買ったほうが絶対にお得!といった道具があります。
で、今回の「別たち」ですが、これは後者の道具です。特に革をたくさん切る人にとって個人的にベストバイ、いやマストバイな道具です。キーホルダーやキーケース、ブックカバーなど「初心者にとって取り掛かりやすいものを1つ作ったら満足です!」という人はちょっと丈夫なカッターナイフで事足ります。
レザークラフトの雰囲気を味わってみたいだけならば、革を自分で切る必要のない、縫い合わせたり金具を取り付けたりする程度で完成するキットを試すのが最適解だと思います。革を縫い合わせるのに必要な針と糸も付属していますしね。
ですが、私や(わざわざ「別たち」をネットで検索してまで、この記事を読んでくれている)あなたのようにレザークラフトの魅力にハマって、「次は財布を作ろう!」「ペンケースを作ろう!」「メガネケースも欲しい!!」なんてことになった人にとっては、是非初期の段階で手にとって欲しい道具です!!
別たちとカッターナイフとの大きな違いは、何と言ってもその切れ味です。厚い革でもススーっと切れるため、切り口であるコバも綺麗です。また、余計な力をかけなくても切れるので、革を型紙通り真っ直ぐに切りやすく、尚且つコバが直角になりやすいため、寸法のズレを最小限にすることが可能です!
「別たち」ってどんな道具?
「別たち」(※「べつたち」と読みます。)は革包丁のような形状をしていて、万人向けのカッターナイフとは一味違う鋭い切れ味を持ちながら、革包丁のように刃を研ぐ必要がない(切れなくなったら刃を交換すれば良い)という、メンテナンスフリーな特徴を持った道具です。(価格は1300円前後です。)
カッターナイフで有名な某メーカーも別たちを販売しています(値段は3倍位の差があります)が、グリップがしっかりしているこちらの方が私は気に入っています。どちらも機能は変わらず、カッターナイフと革包丁のイイトコ取りなので、趣味で選んでしまってOKです。
「別たち」の使い方
購入した時点で取り付けられている斜めの刃を取り外し、直刃を取り付けます。そして写真のように親指をグリップにかけ、下の部分をしっかりと握って安定させてから、手前の刃を少しだけ持ち上げて引いて行きます。
大した力を入れなくてもスルスルっと革が裁断されていくことにビックリすると思います。私もモリ君に「もっと早くに教えてくれてれば・・・!」と、クレームを入れたほどです。
曲線を切りたい場合は、別たち刃の角を使うように固定して、革の方を線に沿ってゆっくり回すようにすると上手く切れます。また、私はまだ試していませんが、別たちがあれば自分で革を漉くこともできます。
私の場合は、この道具を手に入れて使い方のコツを覚えた後で、最初期に作ったキーホルダーを改めて作り直してみたことがあるのですが、革の裁断でミスった箇所を、縫い糸や金具でカバーすることが減りました。要するに革を裁断する精度が上がったということです。
(※本来真っ直ぐであるべき革の部分が歪んでいたら目立ちますし、多少の歪みは裁断した後からでもヤスリがけなどをすればある程度はカバーできますが、時間と手間と根気の要る作業になります。。。)
件のモリ君に新生キーホルダーを見せびらかしていたところ(師匠に見せたところで自慢にもならないのですが)、先輩から「俺のペンケースが長く同じもの使っていてもうボロボロだから作ってよ!」と仕事の依頼(無茶振り)を頂きました。。。
まとめ
革を切るくらい、「趣味なんだからカッターで充分だろう?」と思っている方が居たら、「趣味だからこそ別たちを使ってみて欲しい!」と伝えたいです。レザークラフトは革小物を作っていく工程自体もとても楽しいのですが、できるならばストレスが少ない方法で、かつ効率よく、更に精度を高く進めたほうが、より趣味を楽しめるのではないでしょうか?
趣味とは言っても、仕事と家事や育児にかかる時間を考えたら、そこに割けるる時間はそんなに多くはないはずなので、この記事が同じ趣味を持つ同士の、楽しいレザークラフトライフを送る上での一助となれば幸いです。
息子の夜泣きが始まったので、今回はこのへんで失礼します。
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