コバ磨きで綺麗なツヤを出したい!
革小物のコバ(革製品の端っこ、切れ端、切り口の部分)を「綺麗に磨きたい」、「ツヤを出したい」というのは、レザークラフトを始めた人たちの誰もが持つ悩みだと思います。自分好みの革で作った、世界にひとつだけのカードケースや財布を磨き上げて、まるでブランドショップに並んでいるような、綺麗なツヤを出す方法をご説明していきます。
コバ磨きに使う材料は?
まずは材料を紹介します。
仕上げ剤やスリッカーは幾つか種類があるので、近所のホームセンターや東急ハンズなどで手に入りやすいものを少量購入して試して、自分に有ったものを使うことをおすすめします。
紙やすり
コバ磨きをする部分を予め整えるために使います。600番手~1000番手があると良いです。
(ホームセンターで100円~200円で売ってます。)
私は子供の頃にガンプラやミニ四駆を作るときに使っていた、水研ぎ用の紙やすりを未だに使っています。( 物持ちが良すぎて中々減りません(笑))
ヘリ落とし
爪の甘皮を処理するリッパーのような形をした、レザークラフト専用の道具です。裁断した革の切り口は直角になっていますが、角を切り落とすことで、角の部分を丸くすることができます。彫刻刀のような使い心地ですので、小中学生時代の図画工作の時間にタイムスリップしたかのような、懐かしさを感じながら作業できると思いますよ。
(東急ハンズで1,045円で売っています。)
仕上げ剤
トコノールやトコフィニッシュが有名です。トコノールは木工用ボンドを水で薄めたようなもので、クリーム感が強いです。トコフィニッシュは水のり風で、トコノールに比べて革に染み込む時間と乾く時間が早いです。
(東急ハンズでそれぞれ594円/385円で売っています。)
これはあくまで個人の意見ですが、トコノールのほうが塗った後の革が柔らかい感じがするので、私はトコノールをよく使っています。
また、初心者向けの道具セットや、レザークラフトのキットを買うと、少量のトコノールかトコフィニッシュが同梱されていることが多いので、どちらかを使い切ってからもう一方を試すという進め方も有りだと思います。
スリッカー
ウッドスリッカーやプレススリッカー、コーンスリッカーなどという専用の道具が必要ですが、ガラス板や、革の端切れなどで代用することも可能です。
(写真のプレススリッカーは、東急ハンズで1,045円で売っています。)
コバ磨きの基本テクニック
コバの形を整える
まず、紙やすりを使って、ヘリを落とすコバを整えます。
次に、ヘリ落としの先端を革の角に当てて、進行方向に押し進めます。このとき、ヘリ落としの先端を革に強めに押しつけながら進めるのがポイントです。
(軽く当てただけだと、革に刃が入り込まずに却ってコバをガタガタにしてしまいます。)
トコノールを塗って磨く
コバにトコノールを薄く塗り、トコノールが乾ききらないうちに、スリッカーやガラス板を使って磨きます。スリッカーには独特な溝が幾筋か切られているので、お使いの革の厚さが合う溝を当てて、擦るようにして磨きます。トコノールを付けて磨くことで、次第にコバの毛羽立ちがなめらかに整えられて、耐久性や質感をぐっと高めることができます。
また、コバにトコノールを塗る際は、綿棒で少量をチョンチョンと載せていくと上手くいきます。
磨く前と後の写真を載せておきます。コバ磨きの前後でツヤが出たのが分かると思います。
Before
After
レザークラフトの解説書やブログなどを読むと、スリッカーとガラス板はお互いに代用可能と書かれていることが多いのですが、個人的にはコバ磨きにはスリッカーを使い、トコ磨きにはガラス板を使うほうが良い気がしています。と言うのも、スリッカーにはコバを磨くための溝がありますが、トコ面を磨く際には、スリッカー自体を転がして磨くことになるので、作業後に仕上げ剤をきれいに拭き取らないと、再度コバ磨きをする際に使い勝手が落ちてしまいます。
(コバとトコの両方に使おうとすると、スリッカーの持ち手の部分にまで仕上げ剤が付着してしまうことになります!)
また、ガラス板はスリッカーに比べて重さもあり、平らな面を磨く際に安定していて、力を込め易いです。(私が初めてレザークラフト用のガラス板を持ったときは、その重さに驚きました。作業をする際は、くれぐれも作業台や机からガラス板を落とさないように気をつけてください)
なお、仕上剤を使わずに水だけで磨く方法もありますが、水だけで磨くと、しっとりとした光沢を出すことができる反面、耐久性があまり出ないので、上記のトコノールやトコフィニッシュを塗りつけながらスリッカーで磨くことをオススメします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
革小物の見た目を大きく左右するコバ磨きですが、案外簡単にできてしまいますね。革選びからツヤ出しの方法まで、すべて自分の思い通りにできることがレザークラフトの醍醐味だと思います。
仕上げ剤のトコノールやトコフィニッシュは、一度買ってしまえば、しばらくは使い切れないくらいの量が入っていますので、色々な革小物をツヤツヤにしてみてくださいね。
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