新型コロナウィルスの感染拡大により、在宅勤務をする人が増えてきました。テレビやラジオ、ネットのニュースで「テレワーク」や「リモートワーク」という言葉を聞かない日は有りません。
テレワーク(離れて・働く)もリモートワーク(遠くから・働く)も言葉の意味としては似かよっているので、在宅勤務を意味する言葉としてどれを使っても問題はないと思います。
さて、今回はテレワークやリモートワークを実践する際の技術的な仕組みをザックリと説明していきたいと思います。会社から謎の機器一式(あるいはマニュアル)をポンっと渡されて
「お膳立てはした、後は頼む!」
と言われた人や
「お膳立てから全て丸投げ!!」
されてしまった人の理解の一助となれば幸いです。
VPNを設定して家から仕事しろ!?
普段会社のPCで仕事をしている人が、家(会社の外)から仕事をする場合は、以下のグッズが必要です。
■物理的なもの
- パソコン(会社のノートパソコンをそのまま使う場合もある)
- ワンタイムパスワード(スマホアプリの場合もある)
■ソフトウェアや情報
- リモートデスクトップのソフト(アプリ)
- 会社のPCのIPアドレス
- VPNのクライアントソフト(アプリ)
- 公衆回線(自宅のインターネット回線)
ワンタイムパスワード(生成装置)というのは、小型の電卓のような形をしていて、数桁の英数字を表示する機械のことです。スマホやパソコンで銀行の口座からお金を引き出すときに使っている人も多いのではないでしょうか?
最近では、この機能を持ったアプリをスマホでも使えるように成ってきていますね。
VPN(Virtual Private Network)とは、通信自体が暗号化された仮想通信回路のことです。何のことやら分かりにくいですね。。。
道路に例えてみると、公衆回線が一般道路で、VPNが専用車線(トンネル)といったところでしょうか。
VPN(Virtual Private Network)とは何ぞや?
インターネットを世界中に伸びている広い道路に例えると、まず、公衆回線(自宅のインターネット)は広い道路に敷かれている車線ということが出来ます。車線を管理しているのがドコモやKDDI、ソフトバンクといったインターネットプロバイダーとなります。
VPNを構築することは、その道路上に専用車線(トンネル)を敷いて、社用車(リモートデスクトップのソフトが扱うデータの流れ)を走らせるイメージです。
また、VPNはその通信自体が暗号化されているので、道路の外から専用車線を走っている社用車を見ることは出来ません。
(※暗号化されていますが、絶対に見破られないとは言い切れないので、喫茶店のFree Wi-Fiを使うのはオススメしません。)
暗号化されている専用車線を走るために必要な合言葉(キーワード/パスワード)を知らせてくれるグッズがワンタイムパスワード(生成器)というわけです。
VPNの構築手順とリモートデスクトップの接続手順
話をVPNの構築に戻します。
(専用のソフトや機器の種類は多岐に渡るので、全体のイメージを掴むためのザックリとした説明となります。)
①まず、自宅のPCをネットワークに繋ぎます。
Yahoo!やGoogle、SNSが使える状態であれば問題なく繋がっています。
②次に、VPNクライアントソフトを起動します。
起動すると通常は自分のIDとパスワード、そしてワンタイムパスワードを聞いてきます。
この3つの情報を以て、社外のネットワークから、社内のネットワークに繋ぐための身分を証明するわけですね。
③次にリモートデスクトップアプリを起動します。
今度は、会社のPCのIPアドレスが必要になるわけです。
④リモートデスクトップアプリに会社のPCのIPアドレよスを登録(入力)すると、
普段会社のPCで使用しているデスクトップが、アプリ上に表示されます。
⑤ここまで来れば後は簡単です。ログイン画面が表示されるので、
OSのIDとパスワードを入力すればOKです!
テレワークのボトルネック
さて、会社から手渡された謎の機器の使い方をザックリと説明してみました。テレワークに不慣れな人にとっては、普段のデスクトップ画面が表示されて「ふー、ヤレヤレ」といったところでしょうか?
VPNを構築する手順を見て既に気づいた人もいるかも知れませんが、テレワークをする際に重要なのは公衆回線の品質です。
公道の上に新しく別の車線を敷くために(≒公衆回線の帯域を間借りして専用回線を仮想的に構築・維持するために)ネットワークは普段よりも混み合います。簡単に言うとネットが重く(遅く)なります。
外出自粛要請が出された現在の状況下では、更に在宅勤務をする人が増え、ネットワーク上には膨大なVPNが敷かれることになります。会社のPCの性能はこの際大した問題ではなく、会社のPCに繋ぐための道のりそのものが混み合って、パソコンの操作が重くなるわけです。
そういう訳で、VPNを構築する際は、巷のFree Wi-Fiは避けて、自宅のネットワークを使うようにしましょう(有線接続ができればよりベターです)
説明不足の点がアリアリですが、そのへんは別途検索してみてください。ザックリ説明とは趣旨が変わってきますので難しいことは敢えて書いていません。
以上
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